【沖縄の伝統行事】ムーチー

ちゅううがなびら(こんにちは)。
いつも沖縄ジョートー市場をご愛顧いただき、まことにありがとうございます☆
那覇から「七海(ななみ)」こと「ねこ」こと、店主・ミカ(安積美加 ASAKA MIKA)です。

今日は旧暦12月8日、「ムーチー」。
スーパーには数日前からムーチーを作るのに必要な材料が特設コーナーに並べられています。
今日の那覇は「ムーチービーサ」ではなく、青空。那覇市の現在気温は21℃とポカポカ陽気です。

「うちは集落で1番目か2番目に古い屋敷で、庭には大きな、立派なカーサがたくさんあるんですよ。うちで使う30枚を取ったら、あとはご近所さんや知り合いにカーサを分けてあげています」と一昨日お会いしたKさん。
「カーサ」とは沖縄のことばで、この会話の場合はサンニンの葉のことを指しているのですが、ミニ辞典には次のような解説がありました。

カーサ【柏】食べ物を盛る幅の広い葉。サンニンやクバの葉など。(出典:南風社『日常会話のウチナーグチ6500』)

ご近所のスーパーには、田舎に行けば野生でいーっぱい自生しているカーサが売られていました。

ライター業も営んでいる私・店主ミカは、JTA(日本トランスオーシャン航空)提供の沖縄観光情報サイト『美ら島物語』にて、2010年8月6日~2012年3月30日まで、毎日の沖縄のようすをお届けするコラム【今日の美ら島】Today’s編集部を担当させていただいておりました。

今日は懐かしいコラム(10年前!!)から「ムーチー」をご紹介したいと思います。

2011年1月11日のコラム【今日の美ら島】Today’s編集部「沖縄の伝統行事「ムーチー」

ハイタイ! みーかー@今日はムーチービーサーに相応しく朝から曇り空でとっても寒い那覇です。
ここ数日前からムーチーに使うサンニン(月桃)の葉が売られているのが目に入ります。
スーパーの入口でもムーチーそのもののほか、ムーチーを作るための米粉、サンニンの葉、紅イモ粉などが売られていて買い物客の方が必ずといっていいほど足を止めて眺めていました。
郵便局ではムーチーを箱に詰めて送ろうとしているおばぁの姿も見受けられました(*^-^*)

旧暦12月8日はムーチー(鬼餅)といって、サンニン(月桃)やクバ(蒲葵)の葉などに包んだお餅をお仏壇に供えたり、軒下につるし、家族の健康を願う年中行事であります。
簾のように編んで天井に吊り下げておいて食べたいときに自由に取れるようにするところもあったり、子どもの生まれたおうちでは初ムーチーを祝い親戚やご近所さんに配ったりします。
またお餅を蒸したあとの汁を門の周りにかけて鬼やらい、魔よけとするところもあるそうです。
某スーパーでは下記のような説明を掲げていました。

【1月11日(旧暦12月8日)はムーチー(鬼餅)の日】
月桃の葉で包んだ餅を仏壇・神棚・火の神などにお供えし厄を払い、無病息災を願います。
子供のいる家庭では、軒下に子供の数だけムーチーをつるして魔よけとするところもあります。
「サギムーチー」…子供の健康を願い、子供の数だけ紐で結び天井から下げます。
「ハツムーチー」…子供が生まれて初めてのムーチーは、親戚や友人に内祝いとして配ります。
生まれたばかりの赤ちゃんをたくさんの人の思いで守ってもらい、健やかに成長することを願います。

ムーチー伝説

このムーチーには次のような伝説があります。
むかし、首里の金城町に兄妹が暮らしていました。乱暴者の兄は大里村の洞穴に移り住み、いつしか人を喰らう鬼となってしまいました。見かねた妹が鬼となった兄を退治しようと一計を案じます。妹は鉄の入った餅とふつうの米餅をこしらえて鬼を見晴らしの良い崖の上に誘い出します。鬼には鉄の入った餅を与え、妹はさりげなく米餅を食べました。何食わぬ顔で餅を食べる妹の歯の強さに恐れをなしている鬼に、妹は着物の裾を広げ足を開き、「上の口は餅を食う。下の口は鬼を食う」と低い声で言うと驚いてあわてふためき逃げようとした鬼は崖から落ちて死んでしまったそうです。

この伝説の舞台となっているのは「首里金城町の石畳」脇にある「オオアカギ」で知られる一帯。
こちらにある内金城御嶽(うちかねぐすくうたき)の大小2つある御嶽のうちの西側にある小嶽(こたき)は兄妹が暮らしていた屋敷跡ともいわれ、鬼の角が祀られているとも。古代沖縄では女陰には悪霊を払う呪力があると信じられており、小嶽はホーハイ御嶽とも呼ばれているそうです。
「琉球国由来記・等々の史書によると340年前、豊かな森だったこの辺りを村人が通る度に霊気に打たれるので、これはただ事ではないと時の王府に願い出て拝所を置き、神々と王府との交流の場となる。王府解体後は個人信仰にゆだねられている。」と書かれた立て看板もあるオオアカギ一帯はオオアカギやクロトンなどの豊かな緑に囲まれており、お昼でもちょっと薄暗い感じの鬱蒼としたところです。
静かで緑豊かなところなので私は好きです。みなさまもお散歩がてらに行ってみてくださいね(*^-^*)

2011年も無病息災、みなさんのご健康を沖縄から願っていますo(^-^)o

今日もご愛読ニフェーデービル☆
今日も素敵な一日をお過ごしください(*^-^*)

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以上、10年前のコラム、2011年1月11日の【今日の美ら島】Today’s編集部でした。

2011年1月11日撮影

数年前に何度か訪れたことのある首里金城のオオアカギ。
最近はもうずっと訪れていませんでしたが、こちらのコラムを読み返して「ひさびさに訪れてみたいな」と思いました。

本日もご愛読にふぇーでーびたん☆

うまんちゅぬ あちゃー かふー うにげーそーいびーん。
みなさまに琉球弧のすべての神々のご加護がありますように☆

 

 

2 thoughts on “【沖縄の伝統行事】ムーチー

  1. 沖縄旅行をした時にムーチーを食べたと思います。
    月桃の葉で包んでるのが気に入って買って食べたのを覚えています。それは旧暦12月8日に食べるムーチーではなく単なる餅を月桃の葉で包んだものだったと思いますが、月桃の葉が気に入って種を購入。今、庭で大きくなってます。花も咲くし時々お皿がわりに使ってます。お店もやってるんですね。シークァーサーも美味しかったです。ありがとうございました。また沖縄のこといろいろ教えてください。

  2. 澤井真理子様

    コメントありがとうございます。
    月桃いいですよね♪ そちらでも育てられるのですね!!
    私も月桃が大好きで、いまベランダの小さな鉢で育てています。
    なかなか根付かなかったのがようやく根付きはじめ、鉢の大きさに合わせて可愛い葉っぱが生えてきています。

    シークヮーサー、美味しくお召し上がりいただけてよかったです。
    大宜味村喜如嘉の完熟シークヮーサーです。
    那覇でも「甘くておいしい」とたいへん好評でした。(*^-^*)

    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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