久米島の君南風(チンベー)に会いたい

久米島空港

沖縄県の久米島には「君南風(チンベー)」と呼ばれる高級神女がいます。

沖縄の高級神女の総称は「三十三君(さんじゅうさんくん)」と言われています。三十三君というのは「多数の神女」という意。
『女官御双紙(にょかんおそうし)』(1709年)には三十三君として37神があげられており、そのうち30神が航海神。沖縄は海とともに生きているんですね。

久米島の君南風も三十三君のひとり(一神)です。

三十三君は1667年(尚質20・康煕6年)にほぼ廃止されたのですが、伊平屋の「あむがなし」、久米島の「君南風」、今帰仁の「あおりやえ」の三君だけ残されました。それだけ三君は重要だったのでしょう。

令和のいまも変わらず大切にされている久米島の君南風。
ぜひいつか見てみたい。機会があればお会いしてみたい。と以前から思っています。

数ある神女のなかでもとくに久米島の君南風に興味をもった理由は次の2点です。

1.1500年「オヤケアカハチの乱」での君南風の功績

とーっても簡単にいうと、1500年頃の「八重山(オヤケアカハチ)」 VS 「首里王府(宮古・多良間)」の戦(いくさ)です。

首里王府に反旗を翻した八重山の遠弥計赤蜂保武川良(オヤケアカハチホンガワラ)。
アカハチ軍を鎮圧するために王府軍は石垣島へ向かったのですが・・・。

沖縄の高校の教科書には次のように紹介されています。

王府軍が船をすすめていくと、数十人の巫女が木の枝を打ち振って奇声をあげ、官軍を呪い倒そうとしているのがみえた。そのため王府軍はなかなか上陸できなかった。【出典】『新訂・増補版 高等学校 琉球・沖縄史』(2001年初版)新城俊昭

「うわー。高校の教科書に呪い倒すって載ってるー。おもしろーい!」と思いました。

そして、ここで登場するのが久米島の君南風です。

アカハチ側はがんばって呪いをかけて上陸を防いでいたのですが、王府軍側の君南風の奇策によって王府軍は石垣へ上陸。アカハチ軍は敗れました。
王府軍に勝機を与えた君南風には褒美として「子孫が代々神職の君南風を司る」という栄誉が与えられました。

この戦で、久米島の君南風の名が琉球中に響き渡った。はず。
想像・妄想力が豊かですので、想像を膨らませ、「チンベーすげー! カッコいいー!」となったのでした。

 

<しーぶん>
「オヤケアカハチの乱」は、「アカハチ・ホンガワラの乱」とすべきという節もあります。
「乱」とつくのは、戦勝者側・王府軍から見てのことであることを断っておきたいと思います。
首里・八重山・宮古、それぞれの立場から想像してみると違った一面が垣間見えます。
アカハチの乱、ご興味ございます方は調べてみてくださいね。(*^-^*)

2.君南風の祭りの写真

カラー写真もどこかで見ましたが、とりあえずパッと出せる手元の資料から。

久米島「君南風(ちんべー)」の祭り

なにかの植物? わさわさした被り物。このお姿ステキ。いいわぁ~。

と、君南風に憧れを抱くようになりました。

そして、チンベーの祭祀をいつか見てみたいな。
と思うようになっていました。

 

今日は旧暦6月20日。久米島では「六月ウマチー」斎行

「六月ウマチー」はだいたい旧暦6月15日。
なのですが、久米島は旧暦6月20日に行っているようです。

憧れの久米島の君南風に関連する最大の祭祀が「六月ウマチー」だそうで、それが本日!!(デシタ)

じゅり馬で知り合った久米島出身で那覇在住のRちゃん。
彼女から聞く現在の「君南風」の話が面白すぎました。(面白い話は、ネットや本には書けません。実際に話ししたり、酒のアテだったり。そんなのがまたいいんだよね)

君南風の6月ウマチーは朝8時台からはじまるそう。
なので、フェリーなら前日から久米島入りしなければなりません。

ぜひRちゃんと一緒に行けたらな♪ とピッチャガマ久米島行きを思案。したのですが、急用で彼女は島に帰ることができなくなりました。
ひとりで久米島行こうかなーと思ったのですが、見送って来年Rちゃんと一緒に伺うことにしました。

 

ウマチー
沖縄諸島で稲麦にかかわる四つの祭り。2月・3月・5月・6月におこなわれる。
王府より日を選んで村々におこなわせたが、明治以後は旧暦15日に定日化した。
【出典】『沖縄大百科事典』沖縄タイムス社(1983年)

大変お世話になっている久米島・兼城の公民館

さきほど所用で久米島の海の玄関口・兼城のねーねーにTEL。

その際に
「今日、久米島は君南風の祭祀(ウマチー)やってるんじゃないですか?」と尋ねると、
「そうかもね~。区長は午前中仕事休んで、神女たちと神屋にウサギムンもって行ったよ」とおっしゃる。

「そうなんですね。一度、君南風みてみたいんですけど。ねーねーはみたことありますか?」
「君南風はみたことないけど、神屋があるところはどこでもやってると思うよ」。

祭祀のために仕事を休む。

大変だろうけど、歴史文化、伝統を大切にされていていいな。
と思うのでした。

 

今日もご愛読にふぇーでーびる☆

うまんちゅぬ あちゃー かふー うにげーそーいびーん。
みなさまに琉球弧のすべての神々のご加護がありますように☆

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Comments are allowed only in Japanese. / 日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。