明日の長時間の撮影に備えてCFカードやSDカード、カメラ用のメディアを整理していると、2020年1月28日の夜10時28分に撮影した動画が出てきた。
わずか16秒の動画。
映像は、那覇市東町の「島思い」にて、故・大城美佐子さんが三線を手にしてるところだった。
美佐子先生の細く長い指が「ナークニー」のウタムチを奏でていた。
しなやかに動いていた手を止めて、「ふぅー」っと大きくため息をついてから、美佐子先生は琉歌をつぶやく。
それから、フフッと笑った。
そこで動画は切れていた。
撮影したことさえ忘れていた短い動画。
改めて、美佐子先生がつぶやいた琉歌を確認してみた。
雨の降て晴れて通ゆたる里やとじぼれがしちやらあてもないらぬ
Aminu futi hariti kayuyutaru satuya tujiburiga shichara atin neranu.
【大意】降っても晴れても通って来ていたあの人は、奥さんにうつつをぬかしているのか、音沙汰もない。
あの長いため息に意味深な笑いは、かつての恋を思い出してのことだったのか。
思い返せば、美佐子先生は恋の歌をよく唄っていたな。
歳を重ねても、着物が似合う、とてもチャーミングな女性だった美佐子さんは、2021年1月17日、急性心筋梗塞のため唐へ旅立った。享年84歳。
きっとグソーで、嘉手苅林昌さんや登川誠仁さんたちと楽しく唄い飲み語らっているのだろうな。
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美佐子さんがつぶやいた琉歌を書き留めたくなったので、「ななろぐ」に備忘録として残しました。
いまの那覇はトックリキワタのピンクの花が満開です。
今日もご愛読にふぇーでーびる☆
みなさまに琉球弧のすべての神々のご加護がありますように☆
うまんちゅぬ あちゃー かふー うにげーそーいびーん。